文献紹介
勉強したことのメモ。Natureダイジェストで目に付いた記事を紹介。 腫瘍細胞を休眠へといざなうナチュラルキラー細胞 腫瘍細胞を休眠へといざなうナチュラルキラー細胞 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio ナチュラルキラー細胞は、原発巣から他の場…
勉強したことのメモ。 CIPE(Conditional Inducible Protein Expression)ベクター 哺乳類生体内におけるタンパク質機能を可逆的に調節する方法の1つ。 これは 哺乳類細胞で発現するとすぐに分解されるタンパク質であるヒトFKBP12タンパク質変異体=destabilizi…
勉強したことのメモ。 CAR-Tに関してはいくつか記事を書いてきた。 がん細胞はT細胞などの免疫細胞に攻撃されないように、抗原が細胞外に出ないように(あるいは低発現状態)なっている。 ※通常、体外から侵入してきた病原体などは樹状細胞などの抗原提示細胞…
勉強したことのメモ。CAR-Tに関する概要は昨日の記事の通り。 teicoplanin.hatenablog.com CAR-T療法とは がん細胞はT細胞などの免疫細胞に攻撃されないように、抗原が細胞外に出ないように(あるいは低発現状態)なっている。 ※通常、体外から侵入してきた病…
勉強したことのメモ。最近話題のがん治療法。 簡単に言うとがん患者さんの白血球にがん細胞と戦う能力を負荷して戦ってもらう治療。 がん細胞はT細胞などの免疫細胞に攻撃されないように、抗原が細胞外に出ないように(あるいは低発現状態)なっている。 ※通常…
過去の記事で取り上げた論文の詳細。 Grunewald M, Kumar S, Sharife H, et al. Counteracting age-related VEGF signaling insufficiency promotes healthy aging and extends life span. Science. 2021 Jul 30;373(6554):eabc8479. まずVEGFに関しては過去…
Bitransjenic mouse バイトランスジェニックマウスに関して勉強した記事を書きました。 teicoplanin.hatenablog.com 今回はその続きで、Bi-transgenic mouseを応用した実験について紹介します。 こちらの論文で行われている方法です↓ Grunewald M, Kumar S, …
調べたことのメモ。 VEGF=Vascular endothelial growth factor; 血管内皮細胞増殖因子 新しく血管を作ることに関与しているタンパク質。「血管を作る」には2種類あり。 血管がないところに新たに血管を作る=脈管形成 既存の血管から分枝伸長して血管を作る=…
読んだ文献の紹介と勉強したことのメモ。 Kent DG, Copley MR, Benz C, Wöhrer S, Dykstra BJ, Ma E, Cheyne J, Zhao Y, Bowie MB, Zhao Y, Gasparetto M, Delaney A, Smith C, Marra M, Eaves CJ. Prospective isolation and molecular characterization of…
先日参加した学会で目にしたテーマをもとに勉強した内容。 NF1とは NF1遺伝子は神経線維腫症1型(NF1)の責任遺伝子。この遺伝子の産物であるNF1タンパク質(=ニューロフィブロミンneurofibromin)が、がん遺伝子産物Rasを不活化することでがんを抑制する効果が…
勉強したことのメモ。 Zuriaga MA, Fuster JJ. Emerging Role of Acquired Mutations and Clonal Hematopoiesis in Atherosclerosis - Beyond Conventional Cardiovascular Risk Factors. Circ J. 2021 Aug 25. doi: 10.1253/circj.CJ-21-0505. Epub ahead o…
今回は記事ではなくNature MedicineのNews & Viewsに関して。 Articleでない記事は分かりやすくReviewほどのボリュームもなく知識の整理や確認に個人的にはちょうどよい。 Furer, N., Kaushansky, N. & Shlush, L.I. The vicious and virtuous circles of cl…
最近Scienceに掲載された文献のメモ。 RESEARCH ARTICLECELL BIOLOGY Differential H4K16ac levels ensure a balance between quiescence and activation in hematopoietic stem cells View ORCID ProfileCecilia Pessoa Rodrigues1,2,3 and View ORCID Prof…
読んでみた論文のメモ。 Oricchio E. Epigenetic balance in DLBCL. Blood. 2021 Aug 5;138(5):355-356. doi: 10.1182/blood.2021011647. PMID: 34351369. 本記事が掲載されているのと同じ号で、Hewardらが(ヒストン脱メチル化酵素)であるKDM5の阻害が、ヒス…
エピジェネティクスの基礎的現象の1つであるヒストン修飾に関する記事を書きました。 teicoplanin.hatenablog.com なので、ヒストン修飾関連の記事を書いてみます。 日本の理研からの論文です。 Balan, S., Iwayama, Y., Ohnishi, T. et al. A loss-of-funct…
ヒストンとは 真核生物のクロマチン(染色体)を構成するタンパク質の1つ。 ヒストンは、一般的には、H1、H2A、H2B、H3、H4の5種類が存在します。真核生物の核の中では、DNAは4種類のコアヒストン(H2A、H2B、H3、H4)から成るヒストン8量体に巻き付いて、ヌク…
新型コロナウイルスワクチン接種後十分に抗体ができるのは2回目接種以降14日後とされている。しかしこの後に感染する例があり、ブレイクスルー感染と言われている。 ブレイクスルー感染に関する記事を1つ紹介。 ファイザー社と契約しワクチンデータ提供と引…
勉強したことのメモ。出たばかりの論文です。HSCに関して。 Hu, M., Lu, Y., Wang, S. et al. CD63 acts as a functional marker in maintaining hematopoietic stem cell quiescence through supporting TGFβ signaling in mice. Cell Death Differ (2021).…
勉強したことのメモ。 Cai Z, Kotzin JJ, Ramdas B, et al. Inhibition of Inflammatory Signaling in Tet2 Mutant Preleukemic Cells Mitigates Stress-Induced Abnormalities and Clonal Hematopoiesis. Cell Stem Cell. 2018 Dec 6;23(6):833-849.e5. 炎…
新型コロナウイルスに関して。なんとなく目に付いた記事を紹介してみます。 新型コロナウイルスが目から感染するという話は既に周知されており、なので現勤務先病院でもアイシールドの着用が義務になりました。 コレです↓ 出典:南川整形外科病院ホームペー…
2020年に日本人が発表したsenolytic drugを紹介していきます。 他の記事はこちら↓ Senolytic drug~BETファミリータンパク質阻害剤 - こりんの基礎医学研究日記 Senolytic drug~ペプチドワクチンによる老化細胞除去 - こりんの基礎医学研究日記 ***********…
2020年に日本人が発表したsenolytic drugを紹介していきます。 他の記事はこちら↓ Senolytic drug~BETファミリータンパク質阻害剤 - こりんの基礎医学研究日記 Senolytic drug~GLS1阻害剤による老化細胞除去 - こりんの基礎医学研究日記 *****************…
抄読会で扱った文献の紹介です。 Sun, X., Cao, B., Naval-Sanchez, M. et al. Nicotinamide riboside attenuates age-associated metabolic and functional changes in hematopoietic stem cells. Nat Commun 12, 2665 (2021). https://doi.org/10.1038/s41…
2020年に日本人が発表したsenolytic drugを紹介していきます。 他の記事はこちら↓ Senolytic drug~ペプチドワクチンによる老化細胞除去 - こりんの基礎医学研究日記 Senolytic drug~GLS1阻害剤による老化細胞除去 - こりんの基礎医学研究日記 ************…
Nature Medicineに出たクローン性造血に関する日本人の文献です。 Saiki, R., Momozawa, Y., Nannya, Y. et al. Combined landscape of single-nucleotide variants and copy number alterations in clonal hematopoiesis. Nat Med 27, 1239–1249 (2021). ht…
Sun J, He X, Zhu Y, et al. SIRT1 Activation Disrupts Maintenance of Myelodysplastic Syndrome Stem and Progenitor Cells by Restoring TET2 Function. Cell Stem Cell. 2018 Sep 6;23(3):355-369.e9. doi: 10.1016/j.stem.2018.07.018. Epub 2018 Aug …
出たばっかりほやほやのCHIPの論文です。インドのものです。 IFは高くない雑誌ではありますが注目を集めている分野なので取り上げてみます。 Senguttuvan NB, Subramanian V, Venkatesan V, Muralidharan TR, Sankaranarayanan K. Clonal hematopoiesis of i…
南江堂から送られてくるNEJM Journal Watch COVID-19 Contents Newsの中から目に付いた記事をピックアップしてみます。 Blomberg, B., Mohn, K.GI., Brokstad, K.A. et al. Long COVID in a prospective cohort of home-isolated patients. Nat Med (2021). …
Ouyang X, Liu Y, Zhou Y, Guo J, et al. Antitumor effects of iPSC-based cancer vaccine in pancreatic cancer. Stem Cell Reports. 2021 Jun 8;16(6):1468-1477. doi: 10.1016/j.stemcr.2021.04.004. Epub 2021 May 6. 筆者らはiPS細胞由来のがんワクチ…
NEJMの記事で目に付いたものをご紹介します。 だいぶ前のものですが… ORIGINAL ARTICLE Risk of Myocardial Infarction and Stroke after Acute Infection or Vaccination List of authors. Liam Smeeth, Ph.D., Sara L. Thomas, Ph.D., Andrew J. Hall, Ph.…