勉強したことのメモ。
Zuriaga MA, Fuster JJ.
Emerging Role of Acquired Mutations and Clonal Hematopoiesis in Atherosclerosis - Beyond Conventional Cardiovascular Risk Factors.
Circ J. 2021 Aug 25. doi: 10.1253/circj.CJ-21-0505. Epub ahead of print.
- クローン性造血はアテローム性動脈硬化や心血管疾患の大きなリスク因子の1つとして近年注目されている。
- クローン性造血とは…造血幹細胞にある特定の体細胞変異が生じることで他の造血幹細胞よりも増殖優位性を獲得し、遺伝子変異を有する造血幹細胞が大量に増加してしまうこと。
- マウスやヒトにおいてクローン性造血が特定の突然変異によって引き起こされた場合、アテローム性動脈硬化症発症に寄与することが示唆されている。
- クローン性造血のドライバー候補として頻度の多い遺伝子変異
- クローン性造血は炎症反応に影響を与える可能性がある。
- クローン性造血のきっかけとなる後天性突然変異の保因者は特定の循環サイトカインレベルの上昇を占めることが報告されている。
- 動物実験ではクローン性造血と2型糖尿病との関連も示唆されている。
マウスでの実験では、TET2欠損造血細胞の増殖によって、白色脂肪のIL-1βによる炎症を促進することにより、加齢および肥満に関連するインスリン抵抗性を悪化させることが示されている。(メカニズムはまだ不明) - 微生物産物によって引き起こされる炎症は、クローン性造血の重要な促進因子である可能性がある。
- 細菌性リポ多糖による治療は、マウスにおけるTET2欠損HSCの競争上の優位性を高め、IL-6シグナル伝達の亢進と細胞生存の改善に関連することが示されている。
- 高血糖と肥満の両方がHSCの生物学に影響を与えるため、感染以外にも、代謝ストレスによって誘発される炎症も、一部の設定では変異細胞の増殖に寄与する可能性がある。