Ouyang X, Liu Y, Zhou Y, Guo J, et al.
Antitumor effects of iPSC-based cancer vaccine in pancreatic cancer.
Stem Cell Reports. 2021 Jun 8;16(6):1468-1477. doi: 10.1016/j.stemcr.2021.04.004. Epub 2021 May 6.
- 筆者らはiPS細胞由来のがんワクチンを報告。これを用いてマウスにおける膵がん予防を可能にした。
- 膵がんはアメリカにおけるがん関連死の原因の4番目。予後が悪く過去数十年にわたり5年生存率は1桁。
- 近年注目を集めている免疫チェックポイント阻害薬も膵がんは耐性あり。
(免疫チェックポイント阻害薬は遺伝子変異が多いがんで効果的だが膵がんは遺伝子変異が少ない) - 近年の研究で、iPS細胞とがん細胞は医一部遺伝子が共通していることがわかった。
(iPS細胞—がんシグネチャー遺伝子)
→iPS細胞とがん細胞には高度に発現しているが星状細胞にはほぼあるいはまったく発現していない遺伝子がある。
→これを利用し、免疫細胞(T細胞)ががん細胞のみを攻撃するようにiPS細胞を用いて誘導するのががんワクチン。 - 自己のiPS細胞を用い、細胞障害性抗腫瘍CD8+T細胞エフェクターと記憶免疫反応を刺激→液性免疫応答を誘導し、免疫抑制CD4+制御性T細胞を減少させた。
- 上記メカニズムによってマウスにおいて膵管腺癌腫瘍形成を75%防止した。
- 膵がんのように遺伝子変異が少なく、免疫チェックポイント阻害薬での治療が難しいがんで、iPS細胞由来がんワクチンが有効かもしれない。