こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

多発性骨髄腫に関するevidenceあれこれ

いろんな論文の詰め合わせ、備忘録的な意味合いが強いです。 日本人移植非適応新規多発性骨髄腫患者に対してD-VMPはBMPよりPFSとOSを延長させる。安全上の大きな問題はなし。(ALCYONE試験)【日本血液学会2020】 OS NR vs 43.9ヵ月 PFS NR vs 20.4ヵ月 D-VMP…

MGUSのマネージメント

MGUS(=monoclonal gammopathy of undetermined significance:MGUS) 意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症 今日の臨床サポートより 血中にM蛋白を認めるが少量で、高カルシウム血症、腎機能障害、貧血、骨病変といった形質細胞腫瘍に関連した臓器障害…

多発性骨髄関連腎障害のマネージメント

多発性骨髄腫(MM)の患者はしばしば腎障害を来す。 それに関するレビュー。 Dimopoulos MA, et al. Management of multiple myeloma-related renal impairment: recommendations from the International Myeloma Working Group. Lancet Oncol. 2023 Jul;24(7)…

DLBCLは早期に再発するほうが予後が悪い

Hilton LK, et al. Relapse timing is associated with distinct evolutionary dynamics in DLBCL. medRxiv [Preprint]. 2023 Mar 8:2023.03.06.23286584. doi: 10.1101/2023.03.06.23286584. Update in: J Clin Oncol. 2023 Jun 15;:JCO2300570. PMID: 3694…

CLLに対するアカラブルチニブ

慢性リンパ性白血病(CLL)に対するアカラブルチニブ(商品名:カルケンス)の使用についての文献を3つ取り上げる。 まずアカラブルチニブの概要について。 BTK阻害薬の1つ。他のBTK阻害薬としてイブルチニブ、チラブルチニブなどがある。 B細胞受容体シグナル伝…