こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

CHIPと狭心症

出たばっかりほやほやのCHIPの論文です。インドのものです。

IFは高くない雑誌ではありますが注目を集めている分野なので取り上げてみます。

 

Senguttuvan NB, Subramanian V, Venkatesan V, Muralidharan TR, Sankaranarayanan K. Clonal hematopoiesis of indeterminate potential (CHIP) and cardiovascular diseases-an updated systematic review. J Genet Eng Biotechnol. 2021 Jul 19;19(1):105.

 

  • 心血管疾患はインドにおける主要な死因の1つ。
  • クローン性造血(CHIP)は末梢血で、変異アレルにおける特定の体細胞変異が2%以上存在する状態のことで、血液悪性腫瘍のみならず冠動脈疾患発生に関与していることが近年報告されている。
  • 筆者らは冠動脈疾患リスク増加に寄与する特定のCHIP突然変異を特定することなどを目的に、PubMedおよびGoogleScholarデータベースを用い、広範な文献検索を実施した。302の記事のうち10が選ばれた。
  • ゲノムシーケンス(n = 3)、全ゲノム分析(n = 1)、トランスクリプトームプロファイリング分析(n = 1)、全ゲノム分析(n = 1)、およびシングルセルRNAシーケンス(n = 1)。
  • DNMT3A、TET2、ASXL1、TP53、JAK2、SF3Bなどが心血管疾患と思に関連があるCHIP変異である。
  • CHIPと冠動脈病変の関連を解明することによって新たな治療の道が開ける可能性がある。