MGUS(=monoclonal gammopathy of undetermined significance:MGUS)
意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症
今日の臨床サポートより
定義に関してはガイドライン参照。
骨髄腫への進展に関しては以下の通り。
以下はBloodのHow I Treatシリーズより。
Go RS, Rajkumar SV.
How I manage monoclonal gammopathy of undetermined significance.
Blood. 2018 Jan 11;131(2):163-173.
- 全患者に骨髄検査を行う必要はなし。低リスク患者のみでOK。
低リスク患者: IgG型、血清M蛋白1500mg/dL以下、FLC比正常
※IgG型かつ血清M蛋白1500mg/dL以下の患者で骨髄形質細胞が10%以上である確率は4.7%、骨病変が見つかる可能性は2.5%と非常に低い。これらの患者が生存期間中に疾患進行する確率は2%ほど。 - フォロー頻度は明確なエビデンスなく、各国ガイドラインごとに異なっており一致率も低い。概ね3~6カ月ごとだが安定していれば2~3年に一度で可とするガイドラインもある。
- フォロー期間の推奨もまちまちだが、米国の研究では最初の1年間がMGUS病勢進行するリスクは最も高く(2.1%)、それ以降は徐々に低下するとされている。低リスク患者ではフォロー終了可。
Ronald S. Go,S. Vincent Rajkumar, How I manage monoclonal gammopathy of undetermined significance, Blood, 2018, Figure 2.
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M蛋白上昇やFLC上昇が見られる場合も必ずしも病気が進行しているとは限らない。上昇が持続する患者でも疾患進行と関連しエチルは50%ほど。逆にこれらのマーカーの上昇がない場合は疾患は進行していないと判断できる。
- MGUSは遺伝との関連が示唆されているが、かといって家族歴のある患者に全例MGUSスクリーニングするなどは不要。MGUSと告知されることは悪性腫瘍と告知されるのと同等の精神的苦痛があり、追跡コストも莫大なため発見すればよいというわけではない。