NEJMの記事で目に付いたものをご紹介します。
だいぶ前のものですが…
Risk of Myocardial Infarction and Stroke after Acute Infection or Vaccination
- 慢性炎症はアテローム性動脈硬化を促進する。
- 急性炎症でも心筋梗塞や脳梗塞などの血管イベント発生率上昇につながるかもしれない。→これをケース・シリーズ法を用いて検証。
- イギリスのデータベースである英国一般診療研究データベース(GPRD)を使用。約570万例の中から、心筋梗塞・脳梗塞の診断を受けている人を抽出し、その患者のワクチン接種歴(インフルエンザ、破傷風、肺炎球菌)に関するデータと、尿路感染症・肺炎・気管支炎・インフルエンザなどの急性感染症に関するデータも抽出された。
- インフルエンザ・破傷風・肺炎球菌のワクチン接種後に、心筋梗塞や脳卒中のリスクは上昇しなかった。
- しかし心筋梗塞、脳卒中ともに全身症状を伴う気道感染の診断後に大きく発症リスクが上昇。
★心筋梗塞の発生率比 4.95,95%信頼区間 4.43~5.53
★脳卒中の発生率比 3.19,95%信頼区間 2.81~3.62 - 最初の3日間が最もリスクが高く、その後数週間で徐々に低下。
- 尿路感染後より、肺炎などの胸部感染症の後の方がリスク上昇の程度は高かった。