こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

【専門医レポート】AIDS(HIV)関連悪性リンパ腫

総合内科専門医レポートを書くに当たり、勉強した内容や調べた内容などのメモです。備忘録的な感じです。

 

★AIDS(HIV)関連悪性リンパ腫

 

非ホジキンリンパ腫は、AIDS指標疾患の1つである。(1)

・非HIV感染者に比して病期が進行している症例が多いことが特徴であり、化学療法とともにHIVウイルス量のコントロールが重要となる。(1)

・治療法については、CHOP, EPOCHなどが推奨されている。

・ここでしばしば問題となるのはRituximabの使用についてである。CD4<50/μL では感染症や治療関連死亡が生じやすくなるという見解もあるも、これは前向きランダム化試験で確認された事項ではなく(2)、致命的な感染リスクを上昇させず重度免疫不全でも生存率上昇に寄与するなどとする文献もある。(3)

1. HIV 関連悪性リンパ腫 治療の手引き Ver 2.0(日本エイズ学会)
2. Spina M, et al. Curr Opin Oncol. 2005;17(5):462–465.
3. Wyen C, et al. AIDS. 2012;26(4):457–464.