こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

テオフィリン中毒

先日の当直でテオフィリン中毒を診たので、その際に調べたことの備忘録です。文献がソースになっていないものもあります。

 

★テオフィリン中毒

10~20μg/ml 成人至適濃度(小児では5-15μg/ml)

20μg/ml~  中毒域

25μg/ml~  75-80%の患者に何らかの症状

40μg/ml~  致死性不整脈、致死性痙攣

60μg/ml~  痙攣または死亡 血液透析・血液吸着を考慮

 

治療~Up To Dateより~

※胃洗浄は推奨されない!!全腸洗浄は未だ議論あり。

・活性炭 1g/kg(Max50g)を経口または経鼻胃管で投与

※反復投与の場合は上記に加えて2-4時間毎に0.5-1g/kgの活性炭を追加していく。

反復投与によってクリアランスアップ

 

・テオフィリン中毒により低K血症と代謝性アシドーシスが惹起される。

→K<3.0mEq/Lか致死性不整脈ありの場合はK補充。アシドーシスはpH<7.0以下でなければ基本的に対処不要。

 

・制吐剤:オンダンセトロン、メトクロプラミド、ラニチジン

・補液

血液透析&血液吸着→テオフィリン血中濃度60μg/ml以上(小児高齢者では50μg/ml以上)のときなど重症例に考慮。

 

その他、低血圧や致死性不整脈が起きたときは、通常通りに対処(ノルアドレナリンによる昇圧など)。