昨日はLarge Prep/ラージプレップの方法について記事を書きました。
本日はもう少し小さいスケールで行うMini Prepです。こちらはキットを使用しているのですが、キットに添付されているプロトコールよりもさらに短い時間でできる、ということをラボの先輩に教わったので、紹介します。
この目的は、自分の頭の整理・知識の確認の他に、いわゆる「おばあちゃんの知恵袋」的な、文献や教科書に載っていないけど知ってるとちょっと役立つようなことを記録しておくことです。
正確性には注意を払っておりますが、利用の際はご注意ください。
使用キット&プロトコールはこちら→
http://2013.igem.org/wiki/images/e/ed/BGU_purelink_quick_plasmid_qrc.pdf
- 10mlチューブに大腸菌+LB培地5ml(+5μlアンピシリン=1000倍希釈)を入れ、2-4時間程度37℃振盪培養。※ラージプレップの際には100mlで行った。
- 振盪チューブのまま 遠心 16,000g 2min
- 上清をデカントで捨てVortex。
- R3(Resuspension Buffer, RNase入っており試薬の中でこれのみ冷蔵保存、他は常温保存)250μlを入れ、懸濁が不十分であればさらにVortex。
【Solution1に相当=大腸菌を懸濁し1つ1つバラバラにする】 - L7 250μl (Lysis Buffer)
【Solution2に相当=溶菌させ、大腸菌内のDNAを外に出す】
→N3 350μl (Precipitation Buffer)
【Solution3に相当=不要なタンパク質などを塩基によって沈殿させる】
を順に入れていく。 - 遠心 14,000g 4min
- ColumnとCollection tubeをセットしたものを準備し、Columnの上から6.の上清を入れ、遠心 12,000g 1min
※1分間待たずとも、トップスピードの12,000gに達したらストップ可。 - <ここからWashing>W10 600μlをColumnの上から入れる
→遠心 12,000g 1min →フロースルーを捨てる
→W9 600μlをColumnの上から入れる
→遠心 12,000g 1min →フロースルーを捨てる
※いずれの遠心も、1分間待たずともトップスピードの12,000gに達したらストップ可。
【W9, W10にはエタノールが入っており、これによってDNAを沈殿させる】 - 空遠心 12,000g 2min 【エタノールを飛ばす、ここはきっちりと!!】
- 滅菌蒸留水20-100μlをColumnの上から入れ、12,000g 2min
→吸光度測定
キット付属のプロトコール通りに行っても30-40分程度でしょうか。しかし上記でやるとさらに短縮され、慣れれば20分ほどでできます。早いですね。規定のプロトコールのどこを省力してよくてどこはダメなのかといったことは、なかなか実際にやっている人の話を聞かないと分からない部分があるので、難しい気がします。なので、上記が参考になれば幸いです。
今回は以上です。