Conformal Coating of Stem Cell-Derived Islets for β Cell Replacement in Type 1 Diabetes.
Highlights
Abstract
ドナー不足と移植後免疫抑制剤服用という制限により、1型糖尿病患者への膵島移植数は限られている。この点において、カプセライズされた幹細胞由来の膵島(SC膵島)の移植はより多くの患者に応用できる可能性がある。コンフォーマルコーティングされた膵島を血管形成が豊富な部位に移植することによって、免疫抑制剤を使用することなく、MHC完全不一致の糖尿病マウスを長期間にわたり糖尿病から回復させることが可能である。今回我々は、凍結細胞から抽出したヒトSC膵島がin vitroにおいてグルコース刺激性にインスリンを分泌することを実証した。重要なことは、コンフォーマルコーティングされたSC膵島は、カプセライズされていないSC膵島と同等のin vitro機能を有し、さらに前者はより生理的なインスリン分泌を実現する。糖尿病NOD-scidマウスの生殖腺脂肪細胞細胞へSC膵島を移植することで、カプセライズされていない膵島もコンフォーマルコーティングされた膵島もともに糖尿病からの回復を可能にし、80日以上にわたって人レベルの正常血糖を維持することができた。全体として、これらの結果は、今フォーマルコートされたSC膵島のさらなる効果と安全性の検証を推し進めるものである。
解説と私見
膵島移植自体は以前からあり、既に取り組んでいる病院は日本にもあります。また、造血幹細胞を用いた膵島移植も、まだ研究段階ではあるようですが、既に概念としては存在しています。今回は何がすごいかというと「移植ドナー細胞をカプセル化することによって拒絶反応を回避し、免疫抑制剤が不要になる」という点のようです。
確かに腎移植の患者さんを何例か見たことがありあますが、免疫抑制剤のしばりというのはなかなかのものです。
単純に基本的に一生内服し続けなければならないという点もそうですし、この免疫抑制剤によって帯状疱疹などの感染症にかかってしまったり、その都度入院が必要になったりなど何かと大変です。
これから全部解放されるというのは非常に素晴らしいことです。上記にもあるようにドナー不足解消などの利点もあり、ぜひもっと研究が進んでほしいところではあります。他の移植にも応用できるかもしれません。