前回の文献紹介記事の続きです。
なかなかボリュームが多いので、長くなりそうです。。。
前回の記事はこちら↓
【文献紹介】Tリンパ球の適応と免疫における恒常性~その1~ - こりんの基礎医学研究日記
【文献紹介】Tリンパ球の適応と免疫における恒常性~その2~ - こりんの基礎医学研究日記
【文献紹介】Tリンパ球の適応と免疫における恒常性~その3~ - こりんの基礎医学研究日記
【文献紹介】Tリンパ球の適応と免疫における恒常性~その4~ - こりんの基礎医学研究日記
T Cell Homeostasis in Tolerance and Immunity
Annette M Marleau, Nora Sarvetnick
A NOVEL ROLE FOR IL‐21 IN T CELL HOMEOSTASIS AND AUTOIMMUNITY
T細胞恒常性と自己免疫におけるIL-21の新たな役割
・IL-21に最近注目が集まっている。
・IL-21がCD4+T細胞増殖に関与するのではないかと報告されている。
・1型ヘルパーT細胞や細胞障害性T細胞はIL-21によって活性化される。
・代償的増殖や自己免疫におけるIL-21の関与は?
・NODマウスにT細胞を移植すると、リンパ球減少宿主に準じて、代償的増殖が起こる。→この増殖は膵炎発症と関連している。
・代償的に増殖したT細胞はCD44+ and IL‐21R(レセプター)+であり、エフェクター表現型を示す。→細胞は増殖するが生存シグナルを受け取りはしないので生存率は低下、T細胞プールは不安定に→自己免疫発症のきっかけに!
・しかしNODマウスの中でもIL-21遺伝子を有するタイプ(B6.idd3.NODマウス)は疾患耐性が強い(発症しない)。
・NODマウスではメモリーT細胞でのIL-21Rの発現が著しくアップレギュレートされている。→サイトカインへの応答性がアップ。
NOD/SCIDマウス
SCIDマウスは自然発症の突然変異体で,常染色体劣性の遺伝様式をとる.このマウスはT・B細胞がないことから,重度の免疫不全を呈し,したがってその異種細胞,組織の移植に対する拒絶が少なく,ヒトの正常造血細胞ですら移植可能である.生着率の向上のために,NOD/SCIDマウスの開発や改良(B2-microglobulinやIL2R共通γ鎖のノックアウトとの掛け合わせ)が行われている.
出典:実験医学online