Khong DM, Dudakov JA, Hammett MV, et al.
Enhanced hematopoietic stem cell function mediates immune regeneration following sex steroid blockade.
Stem Cell Reports. 2015 Mar 10;4(3):445-58.
- 加齢に伴い免疫能が低下し、様々な疾患にかかりやすくなるが、これは骨髄と胸腺内におけるリンパ球系造血が低下してしまうことに起因する。
- また初期造血幹細胞(HSC)の内因性変化もこれに関与していると考えられている。
・DNA修復能低下
・DNAメチル化パターンの変化
・代謝異常
・骨髄系造血への偏り(9か月ごろには見られ始める)
→これらがすべて加齢に伴うHSC機能の変化につながっている。 - 過去の研究で性ステロイドも加齢に伴ったリンパ球造血減少にいくらか関与していることが示唆されている。
※補足:性ステロイドとは?
精巣・卵巣から分泌されるステロイドホルモンの総称。エストロゲン、プロゲステロン、アンドロゲンなどのこと。 - 筆者らは過去にsex steroid ablation(SSA)=性ホルモンブロックによって老化し免疫能が低下した骨髄と胸腺を若返らせ、末梢血T細胞とB細胞機能を像増強し、移植後免疫能回復を促進することを以前に発表している。
→今回はこのメカニズムを詳細に調査。