前回までの記事の続きです。本日で終わりです。
これまでの記事まとめ
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【文献紹介】加齢に関連したマウス造血幹細胞の特徴~その1~ - こりんの基礎医学研究日記
【文献紹介】加齢に関連したマウス造血幹細胞の特徴~その2~ - こりんの基礎医学研究日記
【文献紹介】加齢に関連したマウス造血幹細胞の特徴~その3~ - こりんの基礎医学研究日記
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Age-Associated Characteristics of Murine Hematopoietic Stem Cells
Discussion
・B6マウスのHSCの加齢による変化の特徴を実験で検証。以下の特徴が観察された。
- HSCプールが加齢に応じて拡大していく
- 不完全なHSCが増加していく
不完全なHSCとは…自己複製能と骨髄細胞への分化能を有するがリンパ球系細胞への分化能が低下しているHSC
・CD34 - KSL細胞の絶対数は2ヶ月齢から18ヶ月齢にかけて17倍に増加。またCD34 - KSL細胞の中でもHSCは2倍に増加していた(HSCはsingle celltramsplantationによって判定)。
・不完全なHSCは2ヶ月齢から18ヶ月齢にかけてCD34 - KSL細胞の中で約6倍に増加。
・HSCはなぜ、どのようにしてこの不完全性を獲得するのか?
・通常の体細胞ではテロメア長がその老化に関連しているとされており、これはHSCにおいても当てはまる。
・しかし不完全性の獲得はテロメアのみが関連しているわけではない。リンパ球系細胞への分化能が低下する以外の機能(自己複製能や骨髄球系細胞への分化能は維持されているから)。
・加齢に伴って増加しCD34 - KSL細胞の大部分はin vitroでのコロニー系性能は有するもののin vivoでの骨髄再増殖能は有していない骨髄前駆細胞であった。
・細胞周期は2ヶ月齢マウスも18ヶ月齢マウスもほぼ同じ。
結論としては…HSCは年齢に伴いその数が増えていくが、リンパ球系細胞のへの分化能が低下した不完全なHSCがその中でも増えてき、骨髄前駆細胞のプールの増加に関与する可能性がある。
今後さらなる研究が必要となる。
今回は以上です。