こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

【文献紹介】神経血液マーカーは高齢マウスでの死亡率に関与

新しく創刊された雑誌であるNature agingに掲載されている記事を軽く読んでみました。

 

 

A neuronal blood marker is associated with mortality in old age

 

 

Neurofilament light chain (NfL)ニューロフィラメント軽鎖は、様々な神経疾患発症の血液マーカーとして知られている。NfL神経細胞の構造タンパク質であり、血中濃度上昇は神経細胞のダメージを反映しているとされている。筆者らは血漿NfLレベルが加齢に伴って上昇し、神経経路に関与する他の血漿タンパク質の変化も伴うことを発見した。100歳以上の高齢者では、認知機能や身体活動スケール以上に高NfL決勝は死亡率上昇に関与しており、これは非高齢者群でも確認できた。寿命を延ばす一般的方法の1つである食事制限によって血中NfL値上昇が抑えられることも発見した。これらの発見は神経系機能の低下が晩年死亡率に寄与している可能性を示唆している。