こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

自分が出したCase reportにLetterが来た話~JounalへのLetterの書き方・返し方など~

以前、フルニエ壊疽に関するCase reportを投稿しました。

 

これに対して、なんとニューヨーク在住の医師からLetterが来ました。

 

Case reportはこれまで何度も投稿しておりましたが、Letterが来たのは初めてでした。このように世界の医師が私の論文に目を留めてくれ、意見交換ができるというのは非常にありがたい機会だなとしみじみ思います。

 

一連の経過は以下の通りです。

 

私(Case report):フルニエの症例診ました。初診時に気づかす、普通に帰してしまい、後日緊急手術となった。皆さん気をつけましょう!

 

NY在住内分泌内科医(Letter):SGLT2阻害薬とフルニエの関連が示唆されている。本患者はと尿病もあるようだし、SGLT2阻害薬の内服はなかったのか?

 

私(Reply):いい指摘をありがとう!今回の患者はSGLT2阻害薬内服はなかったが、糖尿病はフルニエの重要なリスク因子であり、その治療薬として近年台頭してきているSGLT2阻害薬の影響に留意するというのは大変重要である。

 

上記にもある通り、Letterを書いた医師が指摘したSGLT2阻害薬の内服は今回はなかったのですが、症例の考察により深みが出て理解が進んだような気がします。実際の論文は以下の通りです。

 

Case report

https://www.amjmed.com/article/S0002-9343(20)30006-1/fulltext

Letter

https://www.amjmed.com/article/S0002-9343(20)30947-5/fulltext#%20

Reply

https://www.amjmed.com/article/S0002-9343(20)31094-9/fulltext

 

さて、LetterもReplyも私はこれまで書いたことがなかったのですが、今回初めてReplyというものを書いてみました。このAmerican Journal of Medicineに関しては、LetterもReplyも共に500語以内で、他の記事と同様にカバーレターなどを用意して投稿するようです。

 

「書き方」とタイトルにありつつあまり書き方については分からないのですが、NY在住医師の書き方に倣うと以下のような感じでしょうか。

 

The *******(記事名) reported by ********(著者名) et al is particularly timely in view of *******(~という観点から注目に値する).

*************************************(問題点などを列挙)

 

Replyに関しては、以下のように書いていきました。

 

We thank ********(Letterを書いてくれた著者名) et al for his/her interest in our article. He/She made an important point about our case: ***********************.

It is worthwhile to mention that ***********************. ***********************, clinicians should be aware of the risks of ***********************.

 

簡単ではありますがこんな感じです。皆さまの参考になれば幸いです。