こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

ドップラーエコーから音楽が?

なんとなく目に留まった面白い記事を紹介します。

 

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

Hearing Music while Checking a Pulse

List of authors.

  • Leanna Wise, M.D.

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1911324

 

New England Journal of Medicineの記事です。

 

両側の股関節手術をした患者さんの足背動脈の血流でエコーで確認しようとしたところ、音楽が聞こえてきたというのです。

動画を見てみると面白いですね。

 

知らない人のために一応解説しますと、足の血管(動脈)が動脈硬化などによって詰まったり、狭くなったりしていないかを調べる器具がドップラーエコーです。足の動脈の中でも体表に近く触れやすい動脈である足背動脈や後脛骨動脈動脈のあたりにドップラーエコーを当て、もしちゃんと血流があると、「シュッシュッ」といった血液が流れる音が拍動に合わせて聞こえるわけです。詰まっているとこの音がしなくなり、狭くなっていると音が弱くなったります。

 

そこから音楽が聞こえてしまうとのことです。これは、股関節手術の際に入れた人工関節が、ラジオの音を受信しており、それがエコーで聞こえているのではないかとのことでした。

 

そんなことあるの!?って感じですが実際に起こっているのであるみたいですね笑

 

面白い論文でした。