こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

16歳までの自傷行為の有無はその後のメンタルヘルス、教育レベル、職業などのアウトカム悪化のリスクとなる

簡単ですが、疫学講義で取り扱った論文の紹介です。

 

Mars B, et al.

Clinical and social outcomes of adolescent self harm: population based birth cohort study

BMJ. 2014 Oct 21;349:g5954.

 

  • イギリスにおけるAvon Longitudinal Study of Parents and Children (ALSPAC=障害における健康影響を調査するためのコホート)に登録されている患者を使用。
  • 16-17歳時点でアンケートに回答した人を対象とした。
  • 18歳時点におけるメンタルヘルスの状況・アルコールを含めた薬物乱用、16歳と19歳時点における教育レベルと職業、21歳時点における自傷の有無を調査した。
  • 16歳までに自傷行為があった青少年は、そうでない子と比較し、精神健康問題、詳細の自傷行為、アルコールを含めた薬物乱用リスクが高くなる。
  • 教育レベルや職業に関するアウトカムも低下するリスクが高くなる。
  • 希死念慮を伴う自傷行為の方が、希死念慮を伴わない自傷行為の方がよりハイリスクであった。