こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

公衆衛生レクチャーで学んだこと①~罹患率は1を超えることもある~

公衆衛生に関するレクチャーを受けました。それで新たに学んだこと、よくわからなくて後で調べたことなどをメモ的に書いていきます。

 

罹患率=Incidenceは1を超えることもある

Prevalence=有病率はある1点のおいて疾患を有している人の割合。

これに対してIncidence=罹患率には時間の概念が含まれており、一定期間にどれだけ疾患者が発生したかを表している。分母はDisease free duration(=リスクにさらされている期間)の合計となる。

 

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注意する点としては、分子の単位は「人」であるのに対し、分母は「人年」「人分」「人秒」など時間の単位が含まれてるため、分母と分子は別物(別次元?)ととらえるべき。なので、表題の通り1を超えることもある。というか理論上、0から∞(無限大)までの全ての値を取り得る。

 

具体例は以下参照↓

 

罹患率の次元(dimensi0n)としては,分子が人に対して分母が人一時であるので時一1とな る。そして,そ の値は理論的には0から無限大の範囲をとることになる。即ち,観察期間 内に新発生が一人もな けれ ば0となるが,極めて短い観察時間内に殆ど全ての人が罹患 する場合には,無限大に近い値をとることになる。例えば,1,000人の対象集団を1秒間観 察しただけで1,000人一全員がある疾病に罹患した場合の罹患率は,1/秒(1,000人/1,000人*1秒)であるのと同時に,60/分,3,600/時 間,86,400/日,31,536,000/年とも表せる。

 出典:津金昌一郎「罹患率と累積罹患率」1995年第30巻日循協誌第1号