文献紹介。自分用の備忘録的な位置づけです。
BloodのHow I treat CLL patients with ibrutinibまとめです。
Introduction
- IbrutinibはCLL患者のあらゆるフェーズで有効な薬剤の1つ。
- RESONATE試験では、4年間のフォローアップで途中中断患者は12%ほど。
多い有害事象はAf、出血、感染であった。 - Real world dataでは42%が毒性のため中断したとのデータあり。
- 広く使用されるようになり、当初想定されていたより有害事象や中断症例は多いのかもしれない。
治療前患者で評価すべき項目・頻度の多い有害事象
- 年齢:80歳以上の患者は6ヵ月で60%以上が中断している。
低いPSやhigher Cumulative Illness Rating Scale comorbidity scoreも予後悪化に関連。 - 出血:臨床試験では1-9%で大出血あり。術後のものもあるが自然発生のものもあり。
※BTKは血小板活性化作用があり、BTK阻害薬は血小板機能低下につながるため。CLL患者というだけで血小板凝集能は低下しており、BTK阻害薬投与でさらに低下する。
※既に抗凝固や高血小板剤を投与されている患者は要注意。このような患者は臨床試験から除外されている。
※周術期は3-7日休薬考慮。特に6既に-12カ月以上投与投与されていて病状安定している患者は短期間中止しても問題なし。 - 心臓関連有害事象:Afが最多で10-15%ほどにあり。過去にAf歴ある患者は特に注意。心不全などの発症率が上昇する。高血圧も悪化するとの報告あり。
- 併用注意薬:CYP3A4 阻害剤は併用注意。ジルチアゼム、ベラパミル、アミオダロン、フルコナゾール、ボリコナゾールなどと併用する場合は要減量。
- 感染とその予防:肺炎が最も多い。臨床試験ではG3以上の肺炎が25%、G3以上の感染症が51%で報告されている。最初の6ヵ月が多く、6カ月以降は半分以下となる。T細胞機能低下と関連。アスペルギルスなど真菌感染も多い。BTK 阻害剤を受けている血液悪性腫瘍患者の日和見感染率は 8.1%。 VZV/PJP率も高く、この予防が考慮される。
その他