こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

【文献紹介】COVID-19患者に対する免疫チェックポイント阻害薬

免疫チェックポイント阻害薬はCOVID-19に有効か?という文献。

 

現在の免疫チェックポイント阻害薬

【国内で開発中の免疫チェックポイント阻害薬】(抗CTLA-4/PD-1/PD-L1抗体)(2020年7月現在・★は承認済み)(作用機序/一般名/製品名/社名): <抗CTLA-4抗体> イピリムマブ★/ヤーボイ/ブリストル・マイヤーズ/小野薬品工業 |トレメリムマブ/―/アストラゼネカ <抗PD-1抗体> ニボルマブ★/オプジーボ/小野薬品工業/ブリストル・マイヤーズ" |ペムブロリズマブ★/キイトルーダ/MSD |スパルタリズマブ/―/ノバルティスファーマ |セミプリマブ/―/サノフィ <抗PD-L1抗体> アベルマブ★/バベンチオ/メルクバイオファーマ/ファイザー |アテゾリズマブ★/テセントリク/中外製薬 |デュルバルマブ★/イミフィンジ/アストラゼネカ

出典:AnswersNews

 

今回はステージⅢ~Ⅳの悪性黒色腫の患者292人を対象として行った。

患者は免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を使っている患者も使っていない患者もいた。

この292人の中からCOVID-19に感染した人をピックアップ

→ICI使用者と非使用者で何らかの違いが生じるかを検証。

→ICI治療を受けたCOVID-19患者でCD8エフェクターモリーT細胞の増殖、T細胞活性化の増強、および形質芽細胞誘導の障害が起きることが分かった。
※炎症性サイトカインレベルは、ICI使用者でも上昇しておらず。

COVID-19中のICIが炎症を悪化させることなくT細胞免疫を増強した。