こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

TCプロテクター【実験で使うもの】

なんとなく気になったので調べてみました。

 

TCプロテクターとはこれです。

 

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以前のブログでも紹介しましたが、細胞の凍結保存に使います。

 

細胞の凍結は、余り急速に行ってしまうと細胞内に結晶ができてしまい、細胞が障害される原因となってしまう。TCプロテクターなどの細胞保護材に細胞を入れて凍結させると、ゆっくり温度が下がり、これにより細胞を守ることができる。

とのこと。

 

1分つき1℃ほどの低下が望ましいとのこと。

細胞凍結保存メカニズム

出典:
Cell Culture Fundamentals: Cryopreservation and Storage of Cell Lines
ECACC Laboratory Handbook 4th Edition

 

株式会社ケー・エー・シーのページに詳細な使い方が紹介されていました。

TCプロテクター 細胞凍結保存法
■ 凍結方法 ■
① 接着性細胞の場合は80%シート時に培地を交換し、翌日に凍結を行う。
浮遊性細胞の場合は培地交換(培地の補充)を行い、翌日に凍結を行う。
※細胞を良好な状態で凍結保存するには、対数増殖期の細胞を使用することが重要である。
※コンフルエントに達した細胞や過増殖を起こした細胞は、凍結後の生存率が低下する。
② 細胞を定法に従い回収し、1,500rpm で1分間遠心する。
③ 5×105
cells/mL~1×107
cells/mL となるようにTCプロテクターで希釈する。
※なお、細胞数計測時の細胞浮遊液は氷中で保持する。
※細胞により適切な凍結細胞数が異なるので予め予備試験を実施のうえ使用すること。
通常は1×106
cells/mLが目安となる。
④ -80℃のディープフリーザーで凍結する。なお、液体窒素で保管する場合には翌日移す。
※本品は、-80℃のみならず液体窒素下でも保存が可能である。
■ 融解方法 ■
① アンプルを37℃の温湯の中に入れ、素早く融解させる。
スピッツ管に細胞浮遊液を入れ、約10倍量の培地を加えて1,000rpm~1,500rpm で1~2分間遠心する。
③ 細胞沈査を確認し、上清を捨てる。
④ 定法に従って、細胞を播種する。

出典:株式会社ケー・エー・シーHP

 

調べてみましたが、TCプロテクターの組成は分かりませんでした…。

公開していないようです。