こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

細胞培養に使用している培地紹介

本日2回目のブログ投稿です。ひじょーーに基礎的内容ですが。。。

ブログアクセス数を見てみると基礎的内容は結構人気みたいなので。。。

培地に関してです。

 

私が293T細胞やHeLa細胞など、細胞培養に広く使っている培地の組成は…

 

D-MEM 500ml

FBS 50ml(10%) =ウシ胎児血清

PSG 5ml(1%) =ペニシリン-ストレプトマイシン

4℃保存

 

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以上です。簡単ですね。

上記について少しだけ解説していきます。

 

培地はpHの変化が分かるようにフェノールレッドが入っており、たとえば、継代せず細胞を放置していたり、コンタミなどで細胞が死んでしまっていたりする場合は、細胞の他者物である乳酸などがたまり、液が黄色っぽくなります。

 

赤色は中性だということなので、細胞に適した環境であることを意味しています。

 

また、培地のように化学物質をそろえただけでは細胞は育たないようで、通常は血清をいれます。血清はもともと細胞培養環境を成体内に近づけるために使われ始めたようですが、毒性物質の中和や緩衝作用を担っているようです。

 

しかし未知の含有物も多いみたいです。血清の固体差(製造ロットの違い)によって培養結果に影響を及ぼしてしまうこともあるようです。(これに関しては今後記事を書きたいと思います。)

 

また、グルタミン酸も細胞培養に必須のようですが不安定なため、最初から培地に添加されている場合と添加されていない場合(使用直前に自分たちで添加する)場合があるようです。これは使用する試薬の内容をよく注意する必要がありそうですね。

 

参考サイト:

細胞.jp|細胞培養基礎講座バックナンバー

https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/history/takaoka/documents/medkoten11.htm