公衆衛生に関するレクチャーを受けました。それで新たに学んだこと、よくわからなくて後で調べたことなどをメモ的に書いていきます。
- さまざまな研究デザインの組み方・特徴
- Cross-sectional study 横断研究
- Case control study ケースコントロール研究
- Prospective cohort study 前向きコホート研究
- Retrospective cohort study 後ろ向きコホート研究
- Randomized controlled trial ランダム化比較試験
- どの研究デザインが適切?
さまざまな研究デザインの組み方・特徴
ある1つの研究テーマを定め、そこから様々な臨床研究を組むことをシミュレーションしてみる。これを通して、様々な臨床研究の特徴を理解する。
Research question
「運動習慣がある人は高血圧になりにくいのではないか?」
この research questionをもとに様々なタイプの臨床研究を組んでみることを考える。
Cross-sectional study 横断研究
クリニックを受診した高血圧患者を選び、運動習慣がある患者とない患者の2群に分け、血圧を比較する。
Case control study ケースコントロール研究
健診センターを受診した人の中から、高血圧の人と正常血圧の人を選ぶ。各群で運動習慣があるかないかを確認する。
Prospective cohort study 前向きコホート研究
(現時点で)外来を受診した高血圧でない患者を選び、運動習慣がある群とない群の2つに分け各群において(将来)高血圧が発症する確率を比較する。
Retrospective cohort study 後ろ向きコホート研究
(病院の診療録等を参考に)運動習慣がある人とない人を選び、各群において(現時点で)高血圧が発症していかどうかを比較する。
Randomized controlled trial ランダム化比較試験
企業や大学などの協力を得て高血圧でない健康成人を選び、運動を定期的にしてもらう群としない群の2軍にランダムに分ける。その後の高血圧発症率を比較する。
***Tips***
- Cross-sectional studyやCase control studyはselection biasや交絡因子=confoundersを排除できないなどの問題がある。一歩で簡便で安価にできる。
- Prospective cohortになると正確性は増すが、やはりselection biasなどを排除できない。ちなみProspectiveでもRetrospectiveでもcohort studyの場合は、「疾患の有無」ではなく「曝露=exposureの有無」で2群に分ける。Prospectiveは「現在→未来」に向けて検証を行ったもので、Retrospectiveは「過去→現在」に向けて検証を行ったもの。
どの研究デザインが適切?
- 病院で働く医師は十分な睡眠をとれているか?
→Cross-sectional study - 肺がんと喫煙の関係?
→Case-control study
※肺がんの発症率はそれほど高いわけではなく前向き研究は不向き。現在では当然のものとなったこの関係はCase-control studyによって明らかとなった。 - 外傷患者はせん妄を起こしやすいか?有病率とリスクファクター?
→Prospective (or Retrospective) cohort study - 医師の言う「余命」は当たっている?
→prospective cohort study