公衆衛生に関するレクチャーを受けました。それで新たに学んだこと、よくわからなくて後で調べたことなどをメモ的に書いていきます。
- 疫学入門・臨床研究の種類
- ①Cross-sectional study 横断研究
- ②Ecological study 生態学的研究
- ③Case control study
- ④Prospective cohort study
- ⑤Retrospective cohort study
疫学入門・臨床研究の種類
「大腸癌と食事の関係に興味がある」
→このときのアウトカムは? …大腸癌?
正解は…Research Questionによる!
疾患がアウトカムとは限らないので注意。
Epidemiological studies
- Observational design: 下記参照
- Exoerimental design:
無作為割付していない介入研究
Non-Randomized Controlled Trial
無作為割付した介入研究
Randomized Controlled Trial
今回は主にObservational designについて説明。
①Cross-sectional study 横断研究
One pointのみの評価。Time dimention=時間の概念がない。安価で簡便なのが特徴だが、一方で急性疾患には向かない。選択バイアスあり。
②Ecological study 生態学的研究
国別乳がん死亡率のように、地域別の有病率・罹患率・死亡率などのデータがこれにあたる。RiskやExposure=暴露といった概念はなし。患者個々のデータが必要なく集団でとらえているため、迅速なデータ収集が可能だが、一方で集団ごとの比較しかできない。
③Case control study
Case(=疾患を持っている患者)とControle(=対照)を先に集め、risk factorやexposureがあるかを後方視的に解析する。アウトカムに関する患者をまず集めることになる。Selection biasやInformation biasあり。Relative risk=相対リスクやリスク比の計算はできず(しても意味がない)、オッズ比を計算することになる。稀な疾患の解析に適している。
※Case control studyでリスク比を計算できない理由は以下のサイトで解説あり。
④Prospective cohort study
喫煙者と非喫煙者を集め、肺がんがどのような割合で発生するか観察する、といったように、outcomeの前にexposureを評価。これによってexposureに関するバイアスがかからなくなる、exposureを調整できるなどのメリットあり。Case control studyでは計算できなかったrelative riskが計算可能。例えば「喫煙者は非喫煙者の〇倍肺がんになりやすい」といった評価がrelative riskにあたる。
一方で時間、資源、資金がかかり、稀な疾患には向かない。
⑤Retrospective cohort study
Case control studyと似ているが、Case control studyが疾患の有無をもとに患者を集めるのに対し、Retrospective cohort studyの場合は、exposureの有無で症例を集める。
(Prospective cohort studyも疾患の有無ではなくexposureの有無をもとに最初の患者を集める。)
肺がんと非肺がん患者を集め過去にさかのぼって喫煙の有無を調べるのがCase control study、喫煙者と非喫煙者を(例えばカルテなどをもとに)集め、現在までに肺がんを発症しているか調べるのがRetrospective cohort study。
Case control studyとRetrospective cohort studyの比較は以下参照。