こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

【文献紹介】転写因子T-betによるTヘルパー1細胞における1型インターフェロン反応抑制

本日は再び文献紹介。今回もAbstractだけです。なかなか難しい内容でした。。。

 

Immunity. 2017 Jun 20; 46(6): 983–991.e4.
The transcription factor T-bet limits amplification of type I IFN transcriptome and circuitry in T helper 1 cells
Shigeru Iwata, et al.

 

ホスト=宿主を外敵から守るためには、CD4+ヘルパーT細胞(Th)細胞が、抗病原性・抗腫瘍効果をもつインターフェロンファミリーの一因であるインターフェロン(INF)-γを優先的に分泌できるように細胞運命が決定される必要がある。INF-γはTh1細胞を規定する転写因子の1つであるT-betを誘導し、INF-γ産生をフィードフォワード制御によってサポートする。ここで我々は、T細胞が自身の分泌産物であるINFを認識する方法に関連したT-betの役割を示す。T-betが存在しないと、INF-γは異常な1型INF反応引き起こした。T-betは、1型INFによって通常活性化されている遺伝子や経路を優先的に抑制する。この転写応答は、通常、自身の分泌(オートクライン)によってトリガーされている1型INFシグナル経路の異常増幅をしないよう調整される。それゆえ、T-betは、Th1エフェクターの寄与を促進することに加え、分化したTh1細胞の抑制因子として機能し、異常なオートクライン1型INF反応と顆粒シグナル伝達を抑制している。