こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

c-kitとSCF

勉強したことのメモ。

 

Stem cell factor=SCFは造血幹細胞(HSC)培養に必須の因子の1つ。

  • SCFは受容体c-kit(CD117)のリガンド
  • HSCの大部分はc-kit強陽性分画に存在する。
  • SCFがc-kitを介してHSCの生存・維持に働く
  • 他のサイトカインとの相乗効果によってHSCの増殖を促進する。
  • 胚発生時の造血では特に重要。肝臓や骨髄など造血が行わる部位ではすべてSCFを発現している。
    (c-kitを持たないマウスは貧血で死亡してしまう)
  • SCFはHSCを幹細胞ニッチに誘導する役割もある。
  • in vitro:HSCの生存率を高める。
    in vivo:HSCの自己複製と維持に寄与する。
  • HSCがニッチにとどまるようにする役割もある。
  • SCFは細胞の走化性にも関与していると言われている。

 

参考:

Wikipedia 「幹細胞因子」

「c-kit 発現強度の違いから見えるマウス造血幹細胞の多様性」Cytometry Research 24(1):19 ~ 23,2014