大学院講義で学んだことのメモ。
医学研究デザインで大事なことは
1.ばらつきを小さくする!=Precisionをあげる
…サンプルサイズ増やす、測定精度を上げる。
2.バイアスを小さくする!=Accuracyをあげる
…サンプルサイズ増してもダメ。デザインの工夫が必要だが統計法でも制御可。
過去記事でも紹介した通り、誤差的ばらつきを小さくする(=Precisionをあげる)にはサンプルサイズを大きくすることが重要だが、サンプルサイズを大きくしたからと言ってバイアスは減らない(Accuracy)は上がらない。
ここで言うばらつきとバイアスは以下のようなイメージ↓
出典:eigopedia「『Accuracy』と『precision」』に違いはありますか?」
交絡バイアスの制御・調整の方法
1.デザイン
- 限定:「リンパ節転移がない症例のみ集めて解析」など。しかし交絡因子が多いと対象者が少なくなってしまう。
- マッチング:「治療群も対照群もリンパ節転移有り率が秘匿しくするようにして解析」など。これも交絡因子が多いと対象者が少なくなってしまう。
- ランダム化:未知の交絡因子を排除できる→これは上記2つの方法では困難。このためランダム化が交絡バイアス排除の最強の方法。
2.統計解析
- 層別解析:例えば「リンパ節転移有り群」と「リンパ節転移無し群」である薬の治療効果を判定する。
- 回帰モデル:「慢性心不全のなりやすさ=A×B血圧×C年齢」といったようなモデルを作り調整する。このモデルが臨床的に妥当なのか?の評価はとても難しい。モデルを過信してはダメ。
- 傾向スコア法:傾向スコア法に関してはまた別記事で解説予定。