PI3K経路に関する以前の記事↓
【文献紹介】p53ノックアウトは血小板減少や機能低下につながる - こりんの基礎医学研究日記
【文献紹介】がん抑制遺伝子p53の歴史と機能・血小板との関連 - こりんの基礎医学研究日記
★PI3K=phosphatidylinositol-3 kinase(ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ)
細胞膜の脂質二重層に存在するリン脂質である、イノシトールリン脂質のイノシトール刊環3位のヒドロキシル基のリン酸化を行う酵素。
出典:
経路は非常に複雑なので、簡略化して説明。
Growth Factor=増殖因子が膜貫通型受容体に結合
→受容体チロシンキナーゼによってPI3Kが活性化
→PI二リン酸(PIP2)をリン酸化することでPI三リン酸(PIP3)が生成される
→PIP3ががん遺伝子であるAktをリン酸化する
→これががん化に関与
PIP3を脱リン酸化してPIP2に戻す酵素であるPhosphatase and Tensin Homolog deleted from chromosome 10=PTENの存在が知られている。
つまりPI3K経路活性化によってがん化につながる可能性があることから、PI3K阻害剤ががん発症抑制につながっているのではないかとされている。
参考動画↓