主に自分用に勉強した内容の備忘録です。
JAK-STAT経路は主にサイトカインによる刺激を細胞内に伝達し、リンパ球などを誘導するために働く経路である。
JAK=Janus Kinase
STAT=signal transducers and activation of
transcription
<JAK-STAT経路のだいたいの流れ>
何らかの炎症が起きる
→炎症性サイトカイン(例えばIL-6やTNF-αなど)が分泌される
→細胞膜に近づく
→細胞膜表面にあるサイトカインレセプターに結合する
→サイトカインレセプター(細胞膜を貫通している)の内側にくっついているチロシンキナーゼであるJAKがリン酸化される
→JAKによって転写因子であるSTATがリン酸化される
→STATが核内へ移行
→DNAに結合
→遺伝子発現
→T細胞やNK細胞の分化、抗腫瘍効果、抗ウイルス効果などなど…様々な効果を発揮
・チロシンキナーゼであるJAKには4種類ある(JAK1,JAK2,JAK3,TYK2)。
・JAK1とJAK3がくっついているサイトカイン受容体、JAK1とJAK2とTYK2がくっついているサイトカイン受容体、JAK2が2つくっついている受容体など様々なパターンがある。
・それぞれ結合するサイトカイン、発揮する機能が異なる。
・STAT側は7種類あり(STAT1-4, 5A, 5BおよびSTAT6)、発揮する機能に異なるSTATが対応している。
・JAKを阻害することで複数のサイトカインをブロックすることができ、これがリウマチの治療などに利用されている。
・しかし抗腫瘍効果やリンパ球の働きも抑制してしまうため、感染症や悪性腫瘍の発生につながるなどの懸念もある。
個人的には以下の動画がとても分かりやすかったです。
英語が良く分からなくても絵で何となくわかります。
参考文献
「JAKとリウマチ疾患」https://www.jstage.jst.go.jp/article/cra/26/4/26_330/_pdf/-char/ja
JAK/STATシグナリング
http://www.ft-patho.net/index.php?JAK%2FSTAT%A5%B7%A5%B0%A5%CA%A5%EA%A5%F3%A5%B0
JAK-STAT signalling Pathway