こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

【専門医レポートメモ】多発性骨髄腫と腎機能障害

総合内科専門医レポートを書くに当たり、勉強した内容や調べた内容などのメモです。備忘録的な感じです。

 

★多発性骨髄腫における腎機能障害

・多発性骨髄腫の約半数で経過中になんらかの腎障害が合併し、約1割で透析が必要となる。(1,2)

・多発性骨髄腫患者の平均生存期間は20~40カ月とされるが、腎障害を合併すると20カ月と短縮され、さらに治療に反応しない患者の平均生存期間は10カ月と極めて不良である。(1) 

・多発性骨髄腫の腎機能障害は、多発性骨髄腫自体のコントロールが不良であったとしても回復する場合もあると報告されているが、(3) やはり骨髄腫そのものの治療は重要な因子である。(1,2,3) 

1. 野島美久.日内会誌. 2005 年 94 巻 5 号 p.901-905.
2. 水井真一. 日内会誌. 2016 年 105 巻 7 号 p. 1224-1230.
3. Clark AD, et al. Blood Rev. 1999;13(2):79–90.