こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

【専門医レポートメモ】Mesalazineによる薬剤性好酸球性肺炎

総合内科専門医レポートを書くに当たり、勉強した内容や調べた内容などのメモです。備忘録的な感じです。

 

★Mesalazineによる薬剤性好酸球性肺炎

Mesalazineで治療中の潰瘍性大腸炎患者の中に、肺障害が見られる場合がある。

→この場合、可能性は2つ…①薬剤性肺障害 ②潰瘍性大腸炎の腸管外病変

後者は稀であり、0.4%程とされる。 また腸管病変の活動性と並行するとされる。前者も比較的稀ではあるが、国内では40例ほどの報告がある。(1,2)

 

好酸球性肺炎の診断基準 (3)

①末梢血好酸球増多と肺の画像における異常所見

②肺生検での肺組織の好酸球浸潤

③BALFでの好酸球増多(10%以上)


Mesalazineによる薬剤性肺障害は18-72歳に発症し、多くは投与開始後4-20週間で発症(中央値:12週間)するとされ、総投与量と発症までの期間に相関はないとされている。(4)

 

  1. Jung Hyun Kim, et al. Asia Pac Allergy. 2013 Apr;3(2):136-9.
  2. Sumner C. Kraft, et al. Arch Intern Med. 1976;136 : 454-459.
  3. Talmadge E King, Jr, MD. Post TW, ed. UpToDate. Waltham, MA: UpToDate Inc. https://www.uptodate.com (Accessed on Feb. 18, 2020.)
  4. 箱田有亮ら. 日呼吸会誌. 2004; 42(5):404-409.