クリスマスですね!
さてイギリスの医学誌British Medical Journal(通称BMJ)は毎年クリスマス号と称して面白い学術(?)論文を掲載しています。
今年の論文の中で個人的に面白かったものを紹介します。
1.精神科医はスピード狂で循環器科医は高級車志向?
フロリダ州で2004年から2017年に高速道路でスピード違反切符を切られたドライバーの中で意思を調査、その専門や違反速度などを検証。
・精神科で有意に極端なスピード違反が多い(制限速度をを20mph以上上回る)
・男性、若年者も有意に多い
・高級車を運転しているドライバーの中で最多は一般内科医。
・高級車運転率は家庭医20.6から循環器科医40.9%まで幅あり。
・もっとも高級車を運転する確率が高いのは循環器科医。
スピード違反率で精神科が一番というのは個人的に意外でした。なぜでしょうか…?なんとなく外科系が上位に来そうなイメージですが…実際、その下の順位を見てみると、一般外科医は第2位、循環器科医は第3位、救急医は第4位と、外科・救急系の医師は上位に多いです。
女性医師率が少ないことがDiscussionで触れられていましたが、それはなんとなく理解できますね。
緊急呼び出しが多い科かどうかというのも多少は関連している気がします。
高級車運転率もやはり外科・救急系に多い科と思いましたが、1位こそ循環器科であるものの、その下を見てみると内科系が多いようですね。
第4位の放射線科医は日本では少し地味な印象ですが、アメリカでは人気・競争率・収入ともにトップクラスであり、その辺は日本での感覚と少し差が出るのもうなづけます。
2.臨床現場での「暇」発言で逆に忙しくなる?
「今日は暇だね~」「今日は静かだね~」などと当直で言うと忙しくなる(から言うな!)という医療者間では有名な話がありますがこれを検証したものです。
個人的にはこれって世界共通だったのか…!ということに1つ驚きました。
調査方法は、「今日は静かな1日になるだろう」という群と「静か」という言葉をできるだけ使わないようにするという群に分けて業務量に差がでるか比較するというものでした。
結果は…業務量に有意差なし!当たり前と言えば当たり前ですが…少し期待してしまいましたね(差が出ることに笑)
個人的にはLimitationの項目に
"we did not control for other confounding factors such as seasonal variation, number of microbiological samples received, or presence of black cats, cracked mirrors, or lone magpies."
(我々は、季節変動、受け取った微生物サンプルの数、黒猫、割れた鏡、カササギなどの交絡因子を考慮しませんでした。)
とあったのが面白かったです。
今回は以上です。良いクリスマスを!