今回も実験プロトコールです。
この目的は、自分の頭の整理・知識の確認の他に、いわゆる「おばあちゃんの知恵袋」的な、文献や教科書に載っていないけど知ってるとちょっと役立つようなことを記録しておくことです。
正確性には注意を払っておりますが、利用の際はご注意ください。
1.アガロースゲルについて
DNA電気泳動の際によく用いられる。TBEとTAEがよく使われるようで、TBEが短いDNAの分離に適しているのに対してTAEは数Kb以上の長いDNA電気泳動に適しているとのこと。
(参考:超実践バイオ実験イラストレイテッドレッスン1)
濃度も影どうするDNA断片によって異なるようですが、今回は1%のゲル作成時のことを紹介します。
ちなみに使用はTAEです。
上記も超実践バイオ実験イラストレイテッドレッスン1より引用しました。
【24/2/16追記】※DNA断片分離に用いる場合、後にEtBr(エチジウムブロマイド液)に浸すが、あらかじめゲルにEtBrを入れておく方法もある。この時の目安は、最終濃度0.5μg/mLほど。例えば、1%アガロースゲルを100mlで作る場合は、100 mLのバッファーに1 gのアガロースを加え、10mg/mlのEtBrを5uLを加える。
2.プロトコール
※1%アガロースゲル100ml分を作る場合
- 1xTAE(50xのものを滅菌水で50倍希釈して用いる)100mlをメスシリンダーで計測→300ml三角フラスコへ。※バッファーとしてはTBEを用いる場合もあり。
- アガロース1gを計測し、三角フラスコ内へ。
- アガロース粉末が溶けるまで電子レンジで加熱。
※加熱中に中が吹き零れて量が減ってしまうことがあるので、加熱中も電子レンジの窓から注視し、吹きこぼれそうになったら止める、「解凍」モードでやるなどの技がありますが、私はあまり吹き零れても気にしません。
※ラップフィルムで蓋をし、2-3か所穴をあけておくという方法もあるようです。 - 熱いので注意!軍手などしながらレンジから取り出し、水道の冷水を流し粗熱をとる。手で触れる程度の温度(50℃くらい)になったら、セットしたゲル型へ流す。
- しばらく待つ。数十分程度。
- 固まったら完成。使用しなかったものは、タッパーなどに1xTAE液を満たし、その中に入れて4℃保存しておくと後で使用できる。
…が、その都度作った方が保存しておいたものを使うよりバンドがきれいだという意見も聞くので、筆者はその都度作成。
※液体のゲルを方に流すときに泡立ってしまうことがあるが、これは消毒用のアルコール霧吹きをかけるとなくなる。
ちなみに電気泳動は、(ゲルの濃度と流すDNAの長さによって異なりますが、)100V30分でやることが多いです。
電気泳動すると、上記のように、最下端のバンドの上にもバンドができるのですが、これはなぜできるのか分からないとラボの先輩も言っていました。
今回は短いですが以上です。