本日は学会ポスター作成についてです。
以前に私が参加した国際学会に、後輩医師が参加することになり、学会ポスターの作り方について聞かれ、注意点をまとめたのが今回の記事を書くきっかけです。
病院の先輩や指導医に聞くのが一番なわけですが、そういったことが簡単にできない環境におかれている方もいるかもしれません。実際、この質問をしてきた後輩も現在は同じ病院で働いているわけではなく、身近に直接指導を受けられる先生がいなかったため、メールで質問をしてきました。
そのような方の参考になればと思います。
私自身、たまたま国内学会より国際学会での発表の機会の方が多く、英語での発表が多いため、英語でのポスター作成を想定して書きますが、国内学会でも応用できる部分は多いと思います。
上級医の目から見れば不足している点があるかもしれません。あくまで私(卒後6年目)と同程度かそれ以下の学年の医師に私の知っていることを共有するといった感覚で注意点を書いていきます。
学会ポスター作成時の注意点
1.使用ソフトについて
画像や文書の配置など操作性を考慮するとワードよりはパワーポイントでの作成をお勧めします。
2.ポスターの大きさについて
これは、学会指定のパネルの大きさしだいです。今まで私が参加した学会で作成したポスターサイズは以下の通りです。
①パネルサイズ:4フィートx6フィート(120cmx180cm) ※横長サイズ
→ポスターサイズ:150cmx100cm ※ほぼB0版と同サイズ
②パネルサイズ:180cmx90cm ※縦長サイズ
→ポスターサイズ:120cmx90cm
個人的には、これでパネルにいい感じに収まっていたように思います(特に①の方は)。②の方はポスターの上下にスペースが空いてはいましたが、不自然ではありませんでした。他のポスターを見ると、パネルの大きさぎりぎり(パネルとぴったり同じサイズ)で作ってくる参加者もいます。
パワーポイントで作る際は、「ページ設定」でスライドの大きさを変えられるのですが、おそらく150cmなどは入力できません(大きすぎて)。なので、同じ比率でポスターをつくり、発注の際に 横150cmx縦100cmで注文します。
が、最初からB0版やA0版(または同じ比率)になるようにポスターを作っておければ、印刷時に注文が簡単になります。横150cmx縦100cmはA0でもB0でもないため、定形外サイズとなり、おそらく料金が若干高くなります(ポスター代を病院に請求するならあまり関係ありませんが)。また、業者によっては、定形外サイズは注文できないところもあります。
3.ポスター素材について
個人的には布製がお勧めです。国際学会の時は、移動時に荷物が1つ増える(ポスターの筒)のが個人的には煩わしいからです。布ポスターならば、折りたたんでスーツケースに入れていけます。ただ、若干紙よりも価格が上がります(これもやはり病院に請求するなら関係ありません)。
また、紙ポスターでも折り目を気にしなければ折りたためます(笑)。折り目を気にせず普通に貼っている外国人参加者もちらほらいます。
4.フォント・文字サイズについて
上記のように印刷時に拡大する場合、ちょっとイメージが付きづらいですが、私は、
①普通の文字 …54pt
②画像の説明やグラフの文字など …36pt
③参考文献など(あまり読んでもらわなくてもいい部分)…24pt
で作成しています。これで十分読みやすいかなと思います。
フォントも別に決まりはなく、みんなそれぞれなんですが、個人的にはTimes New Roman(論文などでの定番フォントです)かSegoe UI(可読性が高いフォントでプレゼンでも頻用されます)のどちらかが無難ではないかと思います。
5.ポスター作成の期限
「発注翌日到着」などもネットで検索すれば出てきますが、通常は発注→印刷→発送→到着に2-3日はかかるので、出発1週間前には発注するのが理想です。
研修医の先生と学会に参加した際には、出発の2週間ほど前に院内予演会を行い、その際に言われたことをもとにポスターを修正し、出発1週間ほど前にポスター発注という流れでした。
6.実際のポスター
実際に発表したポスターを掲載します。以前、ポスターとともに撮った写真をSNSにあげて上級医から(個人情報の観点から問題があると)注意されたことがあるため、内容は一部ぼかし入りです。
個人的には学会発表の段階で個人が特定される情報は全てカットしているため問題ないようには思いますが…念のため。
本日は以上です。