最新のNew England Journal Images of Cilinical Medicineです。
今回は急性喉頭蓋炎についてです。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1816761
48歳の男性で3日ほどの嚥下時痛や発熱、呼吸困難を主訴に来院し、Thumb signをきっかけに急性喉頭蓋炎の診断に至ったという症例です。(診断は喉頭ファイバーにて)
気管切開+点滴抗生剤+内服抗生剤(AMPC/CVA)(抗生剤約2週間)などの治療で回復したようです。起炎菌はStreptococcus pyogenesとのことです。
個人的にはthumb signは特異性が低いというか、読影者の主観が結構入るような印象のため、さらっと感度・特異度を調べてみたところ、今日の臨床サポートによれば、感度38%、特異度78%とのこと。感度が低いのは予想できましたが、特異度は思っていたよりは高い数値でした。
Google検索するとすぐにでvallecula signというのも出てきて、こちらは感度 98.2%、特異度 99.5%でthumb signよりも優れているとのこと。
画像は
Acute Epiglottitis : I wish to become another bridge between Myanmar and Japan
より。
この左の画像の黒矢印で示している鋭いくぼみがなくなるのが陽性のサインのようです。
確かにNew Englandの方の画像を見てもvallecula sign陽性と言えそうな気がします。ただこちらもやはり読影者の主観に左右されそうですが…thumb signよりはわかりやすいでしょうか。
個人的には、喉頭ファイバーがその場になくとも、直達喉頭鏡や気管支鏡、消化管内視鏡で喉頭を見るのはどれも比較的簡単なので、不安を感じたらキシロカインスプレーでのどの局所麻酔をし、喉頭蓋を直接確認すればいいのでは、、という感覚です。
レントゲンもすぐに撮れますし、さすがにすぐ喉頭鏡を持ち出すのはためらわれるような場面もあるだろうと思いますので、上記サインは覚えておきたいところではあります。