ジェノタイピングとは…遺伝型の判定のこと。
今回はある遺伝子ヘテロ(+/-)とWildType(WT=+/+)を掛け合わせて生まれてきたマウスの子供のジェノタイピングを行いました。
ある遺伝子に関して(+/-)と(+/+)のマウスを掛け合わせると、(+/+):(+/-)=1:1で生まれるはずです。
(+/-)のマウスを実験に使用したいため、何匹か産まれたマウスのうち、どれが(+/-)か調べたいわけです。
ジェノタイピングにはキットがあるようで、キットを使うと簡単にできるようですが、ラボの先輩に教えていただき、以下の方法で実験を行いました。
インターネットでも検索しましたが、以下のprotocolがヒットしました。私がやったのとだいたい同じ内容のようです。
https://www.an.shimadzu.co.jp/bio/reagents/amp/protocol/p0011.pdf
1.検証したいマウスのしっぽまたは耳を少し切り取る。
(今回はナンバリングもしながら行ったため、耳にナンバリング用のパンチを開けると同時にその穴の残りを検体として使用)
→1.5mlエッペンドルフチューブに切り取った耳かしっぽを入れる。
2.1のエッペンドルフチューブに、1本当たりTail lysis buffer(後述)100ul+proK1ulをいれる。
しっぽ≦2mm, 耳≦5mm
ならば100ulでOK
3.温熱器で60℃ 30分-数時間
(完全に動物検体は溶けなくてもOK)
4.各エッペンドルフチューブから20ulずつを取り、PCR用8連チューブに入れていく。動物検体が入らないように注意。
5.サーマルサイクラ―で60℃ 5分→98℃ 2分(これでproKを失活させる)
→これをtemplateとして用いる。
6.新しいPCR8連チューブを用意し、PCR準備。
以下はPCRチューブ1本当たりの量↓
2x Gflex PCR buffer(Mg2+, dNTP plus) 10ul
Fw primer 0.4ul
Rv primer 0.4ul
Tks Gflex DNA polymerase(1.25unit/ml) 0.4ul
D2W 7.8ul
template 1ul
total 20ul
7.以下のProtocolでPCR
94℃ 1min
--------------------------------------------------------
98℃ 10sec
60℃ 15sec x32cycle
68℃ 60sec/1kb
--------------------------------------------------------
68℃ 1min
4℃ ∞
スメアを引いてしまっており…
非特異バンドが多くなってしまう原因をいくつか調べてみました。
これはインターネットで調べるといろいろと原因が出てきます。
上記を参考に、条件を以下のように変更してみました。
①PCRサイクル数を32→30へ
②template量を1→0.8ulへ
③電気泳動gel(agarose)を1.5→1.7%へ
その上でもう一度同じprotocolでやり直してみました。
だいぶきれいになりました!templateとして使用下検体は、初回実験で使用下もの(を凍結保存していたもの)と同じですので、上記の微妙な条件の違いでここまでバンドがきれいに出ました!
既述のprotocolにも「サンプル量が多いとうまくいかない」と繰り返し書かれていました。
※Tail lysis buffer
1M Tris-HCl pH8.0 800ul
5M NaCl 800ul
0.5M EDTA pH8.0 400ul
10% SDS 400ul
D2W 37.6ml