本日も再度ELISA関連です。
これまでは原理の解説などが多かったですが、本日は実際のProtocolを紹介します。
ELISA関してこれまで書いた他の記事は以下の通りです。
タンパク質を検出する方法~ELISAの原理~ - こりんの基礎医学研究日記
ELISAの原理~妊娠検査のしくみ~ - こりんの基礎医学研究日記
ELISAに使用される試薬の解説 - こりんの基礎医学研究日記
おそらく検出したいタンパク質や使用する抗体になどよって、微妙にプロトコールの違いが出てくるかと思いますが、大まかな流れは変わらないかと思いますので、私の手元にあるELISAキットの添付文書を参考に記載していきます。
- 使用する試薬の希釈を行う。私の使用キットでは…
●Wash buffer: MQで25倍に希釈し1000ml
●Biotinylated antibody: 専用希釈液で100倍に希釈(実験に必要な分だけ)
●Avidin-HRP conjugate: 専用希釈液で100倍に希釈(実験に必要な分だけ)
●検量線作成用希釈液: 下記の用量で8本作成
専用のバイアル・希釈溶液を用い、基準となる最も濃い濃度のタンパク質溶解液を作成。これがNo.1になる。今回の場合はNo.1は2000μlある。
No.2~8までのチューブに300μずつ付属の希釈溶液を入れていく。
以下の図のようにNo.1~7まで300μlずつ次の番号のチューブに液体を移していき、濃度がどんどん半分になるようにしていく。No.8は希釈溶液のみ=blancとなる。
- 必要な分だけウェルを取り出す。※今回のキットは12x8の96ウェルでしたが、1裂(8ウェル)ずつ取り外せるようになっているため、3列(24ウェル)のみ使用するなどの利用の仕方ができます。
※実験検体数にもよるのですが、最初から検量線を作ってしまうと目的濃度に合わなくなてってしまうことがあるため、1回予備実験をしてから検量線を作る方がお勧めです!
どういうことかというと…
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取り出したウェルを100μl/wellのPBSでwash、その後、検体・検量線作成用溶液を各ウェルに入れる。 →37℃ 2hr incubation (プレートをカバーすることを忘れずに。以降のincubationでも同様。)
- 2時間経ったら、ウェル内の溶液を勢いよく捨て、ペーパータオルにたたきつけるなどして十分に検体を取り除く。Wash buffer300μl/wellで2回washする。Washするごとに同様に勢いよく溶液を捨てる。
※十分なWashはELISAの成功に非常に重要!!きっちり行う!!
→その後、希釈したBiotin Ab100μl/wellを入れ、37℃ 1hr incubation - 1時間経ったら、同じくウェル内の溶液を勢いよく捨て、Wash buffer300μl/wellで2回washする。
→その後、希釈したAvidin-HRP Ab100μl/wellを入れ、37℃ 1hr incubation - 1時間経ったら、同じくウェル内の溶液を勢いよく捨て、Wash buffer300μl/wellで5回washする。
※ここのwashが最も重要!!何回washしてもOK!!
→その後、TMB 90μl/wellを入れ、37℃ 15-30hr incubation (ここは遮光)
※このとき、TMBを入れるとタンパク質があるウェルは青色に変化する。 - 15-30分後、ここでは溶液を捨てずに(間違えて捨てないように)、そのままウェルにStop solution 50μl/well入れ、吸光度測定へ。
※Stop slutionを入れるとタンパク質があるウェルは黄色に変化する。
今回は以上です。