本日は大学院の卒業式でした。
学位審査後の流れを書いてみます。
1/6 学位審査
2/7 修正後論文提出
~主査の先生とやりとして修正作業~
2/18 合格
2/22 博士論文最終提出
で、今日3/24卒業式ということになります。
上記スケジュールのうち~主査の先生とやりとして修正作業~が結構大変でした。
「まだ修正が必要」「まだ修正が必要」「この言い回しを直して」などなど…。
指導教官はあまり細かくない性格なんですが、学院審査主査の先生は細かい部分もきっちりする先生でしたので(そのほうが多数派かも?)、指導教官に指摘されなかった細かな点もいろいろ修正されました。
過去の先輩たちの学位論文を見てみると、中にはそこまで厳密に論文のルールが守られていないものもちょこちょこあります。
例えば、図のタイトルは太字で図の下にいれる、などといったルールです。
これは国際論文では結構暗黙の了解なんですが、過去の学位論文ではそこまで厳格にやっていないものもあったので、私もそのへん少々適当だったのですが、「このような常識的なルールが守られていないものを世に出されては我々審査した側が困る」などと注意され、締め切りが迫っていたこともあり、この辺の時期は毎日のようにZoom打ち合わせや論文修正→メールで修正を繰り返していました。
学位審査から最終医提出までは1カ月半くらいあり、十分余裕があると少し油断していたので、最初の修正後提出が少し遅めになってしまい、上記のやり取りもあまり時間的余裕が十分ない中やらねばならず正直なところ締め切りに間に合うか少しひやひやしました。
結果的にはなんとか間に合ってよかったです。やはり余裕をもって提出すべきでした。
ちなみに大学院卒業に必要な要件は
①単位取得30単位
上記のうち専門の単位が24単位、必修共通講座4単位が必要
②博士論文合格
他の大学院の話を聞くと中間審査と言うものが2年目にあることもあるようでしたが、それは私の大学院にはありませんでした。
で、晴れて医学博士となりました。
詳細な割合は分かりませんが、日本で医学博士を持っている人はそれなりの比率で論文博士です。つまり博士課程に在籍せず、論文提出だけで博士になれるというものです。これは海外にはなく日本だけの制度らしいです。
で、今回私はちゃんと博士課程に在籍し課程博士をとったわけです。
4年間の博士課程を終えた感想ですが、まだまだ全然足りない!というのが正直な気持ちです。
もちろん4年前に基礎研究を始めたときは、基礎関連の論文の内容を抄読会で聞いてもちんぷんかんぷんで全く何言ってるかわからず、さらに自分が抄読会担当になるときは指導教官から読んだ方がいい論文を教えてもらい、1カ月くらいかけて読む…などという状態だったんですが、最近は自分で読むべき論文も選べるようになりましたし、みんなが何言っているかもわかるようになってきました。実験も方針さえ決まればだいたい1人で進められるようになりましたし、実験の手の抜きどころも分かってきました。
(どの手順にどのような意味があるか理解できていないと適当にしていい部分とダメな部分が見分けられない)
しかし研究者として1人前かと言うと全然そんな感覚はない!というのが正直なところです。上記の「方針を決める」がまだまだ1人だとおぼつかないかな…という印象です。
今後も研究は続けていくのですが、まだまだ研究者として最初の何歩かを踏み出しただけという感じです。
よく「博士号は足の裏の米粒」などと言われます。取らないと気になるがとっても食えないという意味です。
しかし足の裏の米粒にするかは自分次第だと思います。
ただ、別に臨床でずっとやっていくなら博士号も基礎の素養もあんまり必要ないし、今後は取る人減っていきそうな気がしますね…。海外のように、民間でも博士号がもっと評価される、つまり専門的研究に一定期間従事したことをもっと評価されるような社会になると変わるかもしれませんが…なかなか難しいかもしれません。