【文献紹介】BCGがHSCを教育し結核菌耐性を獲得する~その2~

前回の投稿の続きです。

この文献に関する記事まとめ***********

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BCGワクチンはHSC増殖を誘発する

・野生型=WTマウスにBCGワクチン接種を行った。→IVによる接種後7か月後まで血中からBCG検出。血中のBCG数はLSK+分画増殖と関連していた。(SCではLSK+分画上昇は見られず。)

・HSC自身はBCGに感染する？→しない！一方マクロファージはBCGに感染することが確認された。(過去の報告と一致)　→HSC増殖はHSC自身の感染が原因ではない。

・BCG後4週でピークに達するため4週時点でのLT(long term)-HSC(LKS+CD150+CD48-)、ST(short term)-HSC(LKS+CD150+CD48+)、多能性前駆細胞MPP(LKS+CD150-CD48+)

・BCG IVマウスではBCG SCやCpntrolと比較してST-HSCとMPPが大きく(約20倍)増加。

→BCG接種後のLSK+増加は主にこれら2つの増加によるもの

→BCG接種はHSCの分化・増殖を誘発している。

BCGは骨髄におけるHSCを再プログラムし骨髄新生を促進する

・RNAシークエンスを実施した。

・BCG IVマウスとControlマウスでは、HSCにおいて見られた遺伝子発現の違いがMPPでも見られる。→HSCで観察されたトランスクリプトーム変化がMPPに伝播している。

・DNA複製、細胞分裂、細胞周期に関連する遺伝子がアップレギュレート

　→BCG IVによってLSK+細胞の増殖活性が著しく増加。

・リンパ球形成を抑制し代わりに骨髄新生に遺伝子が働いている。(リンパ球文化に関与する遺伝子はダウンレギュレートされていた。)

・単球/マクロファージ(Mo/Macs)の生成に必要な転写因子、サイトカインなどはアップレギュレートされていた。

・増加したMPPは骨髄極性があるのかリンパ球系極性があるのか？(過去のデータと比較)→骨髄系の特徴を有している。

・トランスクリぷチーム解析ではBCG IVマウスでは骨髄系MPPが有意に増加。

→骨髄へのBCGアクセスｇLSK増殖を誘発し骨髄新生を促進している

・BCGに対する反応はMPPと比較してHSCで早い。HSCでもMPPでもBCG IVに応答した類似変化が見られたが異なる点も。

・細菌やサイトカイン応答に関する遺伝子、抗原提示に関する遺伝子はMPPではアップレギュレートされていたがHSCではMPPと比較して非常に少なかった。

・IFN-γ受容体欠損マウスではこれらの反応起こらず→IFN-γはこの反応に重要。

今回は以上です。