総合内科専門医レポートを書くに当たり、勉強した内容や調べた内容などのメモです。備忘録的な感じです。
★遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT)
診断基準【Curacao Critera】(1)
1.繰り返す鼻出血
2.皮膚や粘膜の毛細血管拡張
3.肺・脳・肝・脊髄・消化管の動静脈瘻/動静脈奇形
3.一親等内にこの病気の患者がいる
→3つ以上で確診definite、2つで疑診probable、1つでは可能性は低いunlikely
・HHTはendoglin/ALK-1/SMAD4の異常を伴う常染色体優性遺伝疾患であるが、家族歴がない症例も15−30%存在する。(1-3)
・全身の血管奇形・毛細血管拡張・出血傾向を主な病態とし、繰り返す鼻出血が特徴的である。(1-3)
・動静脈瘻をしばしば合併し、感染のリスクとなりうる。(1-3)
・感染症の合併が多く、13%に重症感染症を合併するとの報告がある。(4)
・起炎菌が同定された症例では、Staphylococcus aureusが63%と最多であった。(4)
・動静脈瘻が感染のリスクとなるほか、繰り返し障害される鼻粘膜からの常在菌侵入により菌血症・膿瘍に至りやすいとされている。(4)
1. Shovlin CL, et al. Am J of Med Gen. 2000;91:66–67.
2. Guttmacher AE, et al. N Engl J Med. 1995;333:918-924.
3. Peery WH. Am J Med. 1987;82(5):989-97.
4. Dupuis-Girod S et al.Clin Infect Dis. 2007;44:841-845.