こりんの基礎医学研究日記

都内の医大を2014年に卒業。現在は大学院で基礎研究中。日々の研究の中で疑問に思ったことや勉強したことなどを主に自分のための備忘録として書いていきいます。ときどき臨床の話や趣味の話も。必ずしも学術論文等が元となっていない内容もありますので、情報の二次利用の際はご注意ください。

胚性造血

以下のReviewの内容を少しずつ紹介していくシリーズ。

Hematopoietic cell differentiation from embryonic and induced pluripotent stem cells

 

今回は【Embrionic hematopoisis=胚性造血】

 

造血のメカニズムを理解するのに胚性造血を理解するのは重要である。

 

  • 交尾後3.5日で胚盤胞ができ、内胚葉・中胚葉・外肺葉ができる。
    →この中で造血系は中胚葉に属する。
  • 中胚葉にて造血が始まるがこれには2つの波がある。
  • 最初はまず交尾後7.0日で、卵黄嚢にて造血が始まる。原子赤芽球とマクロファージ前駆細胞ができる。
  • その後交尾後8.5日の時点でaorta–gonad–mesonephros (AGM) 領域は造血前駆細胞を獲得。
    ※AGM領域 大動脈、生殖巣、中腎が発生する胚領域。中腎とは前腎の後方にできる腎臓であり、発生過程で退化して後腎にとってかわられる。 マウスでは胎生期中期に存在する。
  • 交尾後9.0日マウスの卵黄嚢、AGM領域由来HSCをドナーとすると新生児レシピエントでは生着するものの成体レシピエントでは生着しない。
    →ニッチが異なる。
  • 9カ月齢から12カ月齢マウスで成体HSCに変化する。