腸内細菌叢に関して過去に勉強したスライド
腸内細菌叢を取り扱った文献を2つ紹介。
- 腸内細菌叢の多様性低下は様々な疾患の 原因となる。
CD腸炎の可能性を上げる
肥満の発症率を高める
造血幹細胞移植後の患者の死亡率と相関している - 腸内細菌叢は体内のホメオスタシス(恒常性)維持にかかわっているのでは?
- 病原体に対する健康な腸管内細菌叢は局所的・全身的な防御機能を示す。
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重症な疾患は、その疾患そのもの、また治療介入によって腸内細菌叢を傷害する。
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敗血症においては抗生剤使用が大きな原因となる。
その他、低酸素血症、腸管運動障害、腸管バリア破綻、管腔内pH値のシフト、昇圧剤、PPI、オピオイド、経口的栄養剤などなど…も腸内細菌叢を障害ICU入院患者500件の便サンプルから、 便のpHシフトは菌血症は発生、死亡率の増加に関与していることが示唆された。
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の臓器不全にも関与している? 強い炎症によって腸管上皮がアポトーシスを起こし、腸内細菌叢が全身へ
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敗血症患者はしばしば腎不全を起こす
腎血流低下に加え、サイトカインの一部ケモカインが腎臓を傷害している。腸内細菌叢はこの過程に関与している可能性がある。
- 新しい治療法 Microbiota-targeted therapy in sepsis 腸内細菌叢の変化が多臓器不全や死亡率に関与するならば、それを正常化すれば治療的効果があるのではないか?
→Selective decontamination of the digestive tract (SDD) 選択的消化管除菌法
重症患者の院内感染と死亡率を下げるとのメタ解析あり。しかし、適応は限定されており有効性は議論の残るところである。
今後の展望
- ヒトを対象とした腸管細菌叢変化に関する大規模な前向き試験を期待したい。
- 以前は無菌と考えられていた肺胞上皮にも、細菌叢変化が起こるのでは? →腸管細菌叢の解析は、こういった他の部位の細菌叢の研究にも重要な役割を果たすだろう。
- 将来的にはpoint-of-care sequencing testsによって治療転帰を予測できるようになるかもしれない。
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論文2つめ。