医療統計に関する大学院講義のメモです。
大数の法則と中心極限定理
1.大数の法則 真値に収束する
大数の法則(たいすうのほうそく、英: Law of Large Numbers, LLN、仏: Loi des grands nombres[1])とは、確率論・統計学における基本定理の一つ。極限定理と呼ばれる定理の一種。
たとえばサイコロを振り、出た目を記録することを考える。このような試行を厖大に繰り返せば、出た目の平均(標本平均)が出る目の平均である 3.5 の近傍から外れる確率をいくらでも小さくできる。これは大数の法則から導かれる帰結の典型例である。より一般に、大数の法則は「独立同分布に従う可積分な確率変数列の標本平均は平均に収束する」と述べている。
厳密には、大数の法則はどのような意味で収束を考えるかに応じて、ヤコブ・ベルヌーイによる大数の弱法則(WLLN: Weak Law of Large Numbers) と、エミール・ボレルやアンドレイ・コルモゴロフによる大数の強法則(SLLN: Strong Law of Large Numbers) の2つに大別される。単に「大数の法則」と言った場合、どちらを指しているのかは文脈により判断する必要がある。
出典:Wikipedia
中心極限定理(ちゅうしんきょくげんていり、英: central limit theorem, CLT)は、確率論・統計学における極限定理の一つ。
大数の法則によると、ある母集団から無作為抽出した標本の平均は標本の大きさを大きくすると母平均に近づく。これに対し中心極限定理は標本平均と母平均との誤差を論ずるものである。多くの場合、母集団の分布がどんな分布であっても、その誤差は標本の大きさを大きくしたとき近似的に正規分布に従う。
なお、標本の分布に分散が存在しないときには、極限が正規分布と異なる場合もある。
出典:Wikipedia
どんな統計量にも中心極限定理は使えるが、収束の速度や近似の精度はバラバラである。
大数の法則と中心極限定理を認めれば、1回の研究から得られた結果(統計量)が、ある仮説の値とどの程度違いがあるかを統計的に評価できる。